ジェネリック医薬品は安くていい薬なのだろうか?
ところで、薬を処方されて調剤薬局へ行くと、
お薬はジェネリックにしますか?
と聞かれることが多くなりました。
そんなこと聞かれても、薬のプロじゃないしわかんないよ・・・というのが本音なのですが、そうとも言ってられないので調べてみました。
ジェネリック医薬品とは
ジェネリックは後発医薬品とも呼ばれています。
薬を開発するのにはかなりの費用がかかります。できあがった薬の有効成分や製法は最初の6年は特許で守られますが、6年が経過すると特許がきれ、この成分や製法をつかって他の医薬品業者も製造できるようになります。こうなると同じ成分・同じ製法の医薬品がより安い価格で提供されるようになります。これがジェネリック医薬品です。
ジェネリック医薬品で懸念される問題点、デメリットは
最も懸念されている点は
果たして先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)の効果は全く同じなのか?
という点です。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)は成分や製法こそ先発医薬品と同じですが、加える添加物の種類やコーティング剤など、異なる部分もあるからです。
薬というのはデリケートな商品で、全く同じ薬でも全ての人に同じように効くわけではありません。
ちょっとしたコーティングの違いで同じ人に処方していても同じ効果が得られないこともある、といういうのがジェネリック医薬品のデメリットです。
本当に安いのか?
これは、ぜんそくの長男に処方された薬(多いですね・・・)のおくすり説明文書(くすりと一緒に入っていた書類)です。

ほとんどの薬に
との表記があります。
薬剤師さんに 「ジェネリックにしますか?」と聞かれたので、
と聞いてみましたら、
とのことでした。
と聞いてみましたがやはり、 「同じ成分でのお薬です。製法は少々異なる場合があります」との説明のみ。それじゃあわたしにはわからないわ。
値段がそんなに違うのですか、ときくと、今回の処方箋によれば値段の違いは数百円とのこと。ならば具合の悪いときでもあるし、先発医薬品にしておこう、と思ってジェネリックは断りました。
その後、家に帰っておくすり説明文書をもとに処方された薬の値段を計算してみました。
【先発医薬品の場合】
単価 | 一日 | 5日分の量 | 5日分の金額 | |
---|---|---|---|---|
メジコン | 5.6円 | 6錠 | 30錠 | 168円 |
ムコダイン | 9.3円 | 3錠 | 15錠 | 139.5円 |
プランルスカト錠 | 66.1円 | 2錠 | 10錠 | 661円 |
ホクナリンテープ | 86.2円 | 1錠 | 5錠 | 431円 |
アレジオン錠 | 109.5円 | 1錠 | 5錠 | 547.5円 |
リボスチン点眼液 | 148円 | |||
合計 | 1,947円 |
【ジェネリック医薬品(後発医薬品)の場合】
単価 | 一日 | 5日分の量 | 今回処方された金額 | |
---|---|---|---|---|
シーサール | 5.6円 | 6錠 | 30錠 | 168円 |
カルボシステイン | 5.6円 | 3錠 | 15錠 | 84円 |
プランルスカト錠 | 66.1円 | 2錠 | 10錠 | 661円 |
ツロブテロールテープ | 46.4円 | 1錠 | 5錠 | 232円 |
エピナジオン | 41.4円 | 1錠 | 5錠 | 207円 |
レボカバスチン | 110.5円 | 110.5円 | ||
合計 | 1462.5円 |
日本であまりジェネリック医薬品が普及していかない理由
国民健康保険の充実している日本では、1円でも安い薬を探す必要がないため、アメリカと比べるとジェネリック医薬品は普及していかない傾向にあるそうです。
常に薬を飲み続けるような場合は、ジェネリックのほうが助かる、というケースもあると思いますが年に数回病院に行くか行かないか、程度だと確かにジェネリックにするメリットがあまりないかもしれないですね。
一方で、新薬の開発が進んでいるという理由もあげられます。去年はなかった一歩進んだ薬があれば、医師もそちらを勧めるので結局、ジェネリック医薬品の出番がなくなってしまうこともあるんじゃないかな・・・と思いました。